新型コロナウイルス感染急拡大が病床の逼迫を招いています。
その結果、本来なら入院すべき患者が自宅療養を強いられています。
先日、感染した妊婦が入院出来ず自宅で出産、赤ちゃんが亡くなるという痛ましい事故がありました。
このままでは、自宅療養中の不幸が次々と起こってしまいます。
助けることが出来たはずの命が失われていくのです・・・。
何とかせねばなりません!
しかし、コロナ対策をしている医療現場はまるで野戦病院。医療従事者の皆さんは心身ともに限界を超えて疲弊されています。
人員が足りず、病床も足りず、救いたくても救えないのです。
今一番必要とされているのは何なのか?
それは間違いなく、人員の確保とコロナ病床を増やすことです。
もちろん、政府も医療機関に病床の積み増しを要請しています。
でも、増えない。
日本の病床数は世界でもトップレベル。医師や看護師のスキルも高く、人数も足りている。さらに、諸外国に比べ感染患者もまだまだ少ない。それにも関わらず、医療逼迫が叫ばれ続けており、現実に医療崩壊も起きつつある。
これは、一部の医療従事者にのみコロナ対策の負担が集中して、全くコロナに関与していない病院が沢山あることが理由ではないのか。
ここに至っては、国が医師会にお願いして医療従事者全員で当たって下さい!と言うべきです。
もちろん、中小の民間病院ではコロナ対策が出来ない理由が色々あります。
・小規模な病院では、スペースの問題上、通常の疾患とコロナとの動線を分ける事が出来ない。
・コロナ対策には多くのスタッフが必要とされるので、他の疾患への治療スタッフが足りなくなってしまう。
・コロナ患者が来る病院には、受診控えが起こり通常の患者さんが来なくなって赤字経営になってしまう。
・赤字経営になれば、恐怖と闘いながら通常より過酷なコロナ治療をしているスタッフにボーナスが支給されず、退職者が激増し、診療が継続出来なくなってしまう。
・他にも癌治療など必要な医療は今まで通りあり、それらに対応することで手が一杯だ。
これら全て正当な理由だと思います。
しかし、誰も経験したことの無いパンデミックという国難においては、出来ない理由を並べても仕方が無いではありませんか。
どうやったら、コロナ対策の病床数や人員を増やせるのか?
今こそ政治の決断が必要とされているのです。
私は、この際医師会にお願いして、日本全国の個人の開業医を含めた全ての病院に5日間のコロナ対策協力期間を義務づけ、臨時休診としていただき、医師や看護師の皆さんにコロナ治療をしている病院へ応援に行っていただく。
応援がどんどん来れば、まず、今コロナ病棟で限界ぎりぎりで働いている医療従事者に対して、1週間ほどのリフレッシュ休暇を取らせてあげたい。心と身体を休めて元気を取り戻して、また最前線に復帰していただく。
人員が十分確保されれば、病床数も2倍・3倍と増やしてゆけるはずです。
救える命を救うために、必要な治療を受けられるように、全国すべての医療従事者にコロナ対策に参加していただくのです。
どうしても協力しない病院には、ペナルティーとして健康保険の適用を外し、生活保護受給者の診療を許可しないことにすればよい。
実際、ほとんどの民間病院が全額公費負担の生活保護患者と自己負担1割の高齢者の診療が経営の基盤となっており、それらの患者が来なければ経営破綻となる為、皆さん協力してくださるはずです。
もちろん、このような強権的な政治判断には、すさまじい反発や批判が予測されます。今後医師会からの支持をいただけなくなってしまう事も覚悟せねばなりません。
しかし、それでも、政治家は国民の命と暮らしを守るために、今こそあらゆる反発に耐え必要な決断するべきです。
オール医療従事者でコロナ対策に当たれば、この苦難はきっと乗り越えられると私は信じます。